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【2026年新制度】介護福祉士試験の「パート合格」が外国人採用の常識を変える!

2026.02.04

2026年1月の介護福祉士国家試験より導入された「パート合格制度」。特定技能外国人の在留期間を最長1年延長できるこの新制度は、人手不足に悩む施設にとって大きな転機となります 。その仕組みと、人材定着を成功させるための戦略を解説します。

目次

もう「一度の不合格」で帰国しなくていい

介護業界で働く外国人材、そして彼らを支える施設運営の皆様にとって、2026年は大きな歴史の転換点となりました。2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験より、「パート合格制度」が導入されたからです。

 

一発勝負の壁と、期限の重圧

これまで、介護福祉士国家試験は一度の試験で全科目の合格基準を満たさなければならない「一発勝負」であり、外国人材にとっては非常にハードルの高いものでした。

特に「特定技能1号」として働く外国人材にとって、介護福祉士国家試験の結果は日本での生活継続に直結します。不合格になれば、通算5年の在留期間満了とともに母国へ帰国しなければならないというリスクが常に付きまとっていました。このプレッシャーは、慣れない土地で懸命に働く本人だけでなく、貴重な戦力を失う不安を抱える施設側にとっても、長年重くのしかかる大きな課題となっていたのです。

 

「一発勝負」から「ステップアップ型」のキャリアへ

私たちZenkenは、この制度変更を単なるルールの緩和ではなく、外国人材のキャリアパスにおける劇的な進化だと捉えています。

これまでの「一発勝負」という不確実な壁を、着実に合格を積み上げていく「ステップアップ型」へと作り替えることで、外国人材が日本で長く活躍する未来は、より現実的で確実なものになります。この制度は、日本の介護を支える彼らの努力を正当に評価し、永続的なキャリア形成を支援するための大きな一歩となるでしょう。

 

試験の仕組みはどう変わる?

2026年1月の試験から導入された新制度は、受験者にとって「一度の試験ですべての結果が決まる」というプレッシャーを大きく軽減する内容となっています。具体的にどのように変わったのか、3つのポイントで解説します。

 

【ポイント①】全13科目を「3つのパート」に分割

これまでは全13科目の総合得点で合否が判定されていましたが、新制度では全科目が以下の3つのグループ(パート)に分けられ、それぞれのパートごとに合否が判定されます。

  • パート1:人間と社会(人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解)
  • パート2:介護(介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程)
  • パート3:こころとからだのしくみ・医療的ケア(発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみ、医療的ケア、総合問題)

【ポイント②】「2年間の受験免除」で効率的な学習が可能に

新制度の最大のメリットは、一度合格したパートについては、翌年と翌々年の最大2年間、受験が免除される点です。

例えば、1年目に「パート1」と「パート2」に合格し、「パート3」だけ不合格だった場合、翌年の受験は既に合格しているパート1と2は免除され、不合格だった「パート3」の学習だけに集中して再受験することができます。

これにより、働きながら勉強時間を確保しなければならない外国人材にとって、学習の効率が飛躍的に向上します。

 

【ポイント③】外国人材への配慮:日本語の壁を「分割」して乗り越える

日本語を母国語としない外国人材にとって、介護福祉士国家試験の最大の難関は「専門用語」と「漢字の量」です。これまでは、13科目分すべての膨大な日本語表現を一度に習得する必要がありました。

しかし、パート合格制度によって、「今年は介護技術に関するパート2を重点的にマスターする」といった段階的な学習計画が可能になります。一度にすべてを詰め込む負担が軽減されることで、日本語の壁に阻まれて自信を失いかけていた人材にとっても、再挑戦への意欲を維持しやすい仕組みとなっています。

 

【最重要】特定技能外国人の「在留期間延長」という救済措置

今回の制度改正において、現場の施設運営の皆様にとって最大の注目ポイントは、試験の仕組みそのものよりも、それに付随して新設された「在留期間の延長措置」にあります。

 

条件付きで「最長1年」の継続雇用が可能に

これまで「特定技能1号」の在留資格は、通算5年が上限であり、それまでに介護福祉士資格を取得(在留資格「介護」へ変更)できなければ帰国せざるを得ませんでした。しかし新制度では、以下の条件を満たすことで、例外的に「最長1年」の在留期間延長が認められるようになります。この延長措置を受けるための具体的な要件は以下の2点です。

  • 要件1: 5年の満了直前に実施された試験において、少なくとも1つ以上のパートに合格していること。
  • 要件2: 試験の総得点が、合格基準点の80%以上であること。

つまり、「あと一歩で合格」という客観的な証明(パート合格+一定以上の総得点)があれば、もう1年日本に留まって次回の試験に再挑戦するチャンスが与えられるのです。

 

「あと少し」の優秀な人材を手放さない

この救済措置がもたらす最大のメリットは、「現場で欠かせない戦力となっている優秀な人材を、試験結果のみを理由に失わずに済む」という点にあります。

「仕事は完璧で利用者様からの信頼も厚いが、あと数点足りずに不合格になってしまった」というケースは、これまで多くの施設で見受けられた光景でした。今回の緩和により、施設側は「あと1年あれば確実に受かる」と見込まれる外国人スタッフとの雇用を継続し、安定した体制を維持することが可能になります。これは、採用コストの削減だけでなく、サービスの質の維持という観点からも極めて大きな意義があります。

 

施設側が取り組むべき「新・合格サポート戦略」

この新制度は、ただ待っているだけで効果が出るものではありません。施設側が戦略的にこの仕組みを運用に取り入れることで、はじめて確実な人材定着へと繋がります。

 

受験資格取得後を見据えた「ステップアップ型」の育成

特定技能の外国人は、3年間の実務経験を経て初めて受験が可能になります。そのため、4年目以降の限られた試験機会(在留期限内)を、パート合格制度を活用して戦略的に攻略するプランを立てましょう。

 

1回目の受験(4年目)

初めての挑戦では、まず得意な領域やイメージの湧きやすい「パート2(介護)」などの合格を確実に狙い、成功体験を作ります。

 

2回目の受験(5年目)

前年に合格したパートの免除(2年間有効)を活かし、残りの科目、特に難易度の高い「パート3」などの学習に集中します。

 

救済措置の活用

5年目の満了時でも、少なくとも1パートに合格し、総得点が基準の80%以上であれば、さらに1年延長して再挑戦することが可能です。

 

このようにパート合格を積み上げていくことで、無理のない確実なキャリア形成を支援できます。

 

戦略的なパート合格を実現する「学習環境の整備」

新制度において効率的に合格を積み上げるためには、個々の進捗状況に最適化されたサポート体制を構築することが不可欠です。単に学習を促すだけでなく、施設側が戦略的に環境を整えることで、人材定着の確実性はさらに高まります。

 

個別の合格状況に基づいた「ピンポイント支援」

3つのパートのうち、どの領域をクリアし、どこに課題が残っているかは一人ひとり異なります 。施設側はスタッフそれぞれの苦手分野や合格状況を正確に把握し、不合格だったパートに特化した重点的なフォローアップを行うことが求められます。

 

現場で支える「学習時間の確保と環境作り」

働きながら膨大な専門用語を習得しなければならない外国人材にとって、最大の課題は学習時間の捻出です。試験直前に集中して学習できる日の設定や、個別の状況に応じた学習環境の整備など、現場一体となったバックアップが合格率を大きく左右します。

 

Zenkenでは、この新制度に対応した、介護福祉士国家試験のパート別学習プログラムをご用意しています。科目ごとに最適化されたカリキュラムにより、受験資格取得後の限られたチャンスを最大限に活かし、着実なパート合格と在留資格「介護」への移行を強力に支援します。

具体的な学習プログラムの内容や、施設での導入にご興味のある方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

 

 

不合格を「合格への貯金」へ。外国人材の自信を育む新しい評価軸

「全科目に受からなければ不合格(=ゼロ)」というこれまでの評価軸は、学習の意欲を削ぐだけでなく 、外国人材に「自分はこの仕事に向いていないのではないか」という過度な不安を与えてきました。

今後は、一部合格を「合格への確かな貯金」と位置づけるマネジメントが重要になります。たとえ全科目合格に至らなくても、合格したパートを「キャリアの着実な進捗」として正当に評価することで、本人の自信を深め、日本での永続的な活躍を支えるキャリア形成が可能になるからです。

 

【注意点】制度活用のための落とし穴

この画期的な新制度ですが、運用にあたっては見落としがちな「落とし穴」がいくつか存在します。施設側が誤った理解で外国人材にアドバイスをしてしまうと、本人のキャリアや在留資格に直結する事態になりかねないため、以下の2点は必ず押さえておきましょう。

 

① 「全パート受験」が前提

パート合格制度があるからといって、受験者が最初から「今年は勉強が間に合わないから、パート1だけを受けよう」と、受験するパートを自分で選択して申し込むことはできません。

過去の試験で合格し免除を受けているパートがある場合を除き、原則として全てのパート(全13科目)を受験する必要があります。

全てのパートを受験した結果として、合格基準に達した領域が「パート合格」として認定され、翌年以降の免除対象となる仕組みです。「一部のパートだけ受ければ良い」という誤解を与えないよう、指導の際には注意が必要です。

 

② 「救済措置(在留延長)」を受けるには、翌年の受験誓約と学習計画が必須

特定技能1号の在留期間を特例で最長1年延長する措置は、試験結果の条件(1パート以上の合格+総得点80%以上)を満たせば自動的に適用されるわけではありません。

延長の申請にあたっては、本人が「翌年の試験を必ず受験する」という誓約書を提出する必要があります。あわせて、翌年の合格に向けて「どのように学習を進めるか」という具体的な学習計画を作成し、地方出入国在留管理局へ提出しなければなりません。

この制度はあくまで「介護福祉士の取得を確実に目指す人材」を支援するためのものであるため、試験後の速やかな手続き準備が求められます。

 

まとめ

2026年1月から導入された「パート合格制度」は、単なる試験ルールの変更ではありません。これは、日本で働く外国人が「介護福祉士(在留資格:介護)」を取得し、永住も視野に入れた長期的なキャリアを築くための、極めて重要な道筋を広げるものです。

「5年という期限が来たら帰国してしまう」というこれまでの制約は、本人にとっても施設側にとっても、深い信頼関係や長期的な育成を阻む大きな壁でした。しかし、今回の「パート合格」と「在留延長」の救済措置によって、その壁は取り払われようとしています。

着実に合格を積み上げ、専門性を高めていく彼らの努力を制度が認め、それを施設が全力でバックアップする。この循環こそが、人手不足に悩む介護業界において、優秀な人材を惹きつけ、定着させる「選ばれる施設」への第一歩となります

特定技能外国人が、ただの「働き手」から「介護福祉士」というプロフェッショナルへ成長していく過程を、実務と制度の両面から支援し続けることが、私たちZenkenの使命と考えます。新制度を最大限に活用し、共に持続可能な介護現場を創り上げていきましょう。

 

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験のパート合格(合格パートの受験免除)による介護分野で『特定技能1号』の在留資格をもって本邦に在留する外国人の通算在留期間の延長に関する措置について

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