2024.07.09
特定技能などの在留資格で介護職に就いている外国人が、介護福祉士国家試験に合格すれば、永続的に介護現場で働くことが可能になります。
今回は、外国人が介護福祉士国家試験を受験するための手段や介護福祉士資格取得を目指す海外介護人材への学習支援の補助金制度について紹介します。
介護福祉士の資格は、介護に携わるために必要な一定の知識や技能を習得していることを証明する唯一の国家資格です。試験問題が介護に係る専門的な日本語が随所に見られるため、特に外国人にとっては容易な試験ではありません。外国人がこの試験を受験する方法は、主に以下の3つがあります。
EPA介護福祉士候補者は、EPA(経済連携協定)に基づき、日本の介護施設で就労と研修をしながら、日本の介護福祉士の資格取得を目指す外国人の方々のことです。インドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヶ国が対象国となっています。
在留期間は原則4年間。介護福祉士国家試験の受験資格の要件である3年以上の介護業務に従事しなければならないため、受験機会は1回です。
試験は、筆記と実技があります。筆記試験は、EPA介護福祉士候補者の場合、試験時間が1.5倍に延長され、漢字にはふりがながふられています。実技試験は、「実務者研修」や「介護技術講習会」を受講すると免除されます。
特定技能や技能実習の介護分野の在留期間は最長で5年間です。その間に、介護施設での実務経験が3年以上で実務者研修を受講していれば、介護福祉士試験の受験資格が得られます。
介護福祉士試験に合格して、在留資格「介護」を取得することで、日本の介護施設で永続的に働くことが可能になります。
試験は筆記のみです。実技試験は免除されます。希望すれば、EPA介護福祉士候補者と同様に、試験時間が1.5倍に延長され、ふりがなが付記された試験用紙で受験できます。
2年以上の専門学校などの介護福祉士養成施設において介護の知識や技能を修得した後に、介護福祉士の国家試験を受験する方法です。
先ず日本語学校に入学するために留学ビザで入国し、1~2年間日本語を学んだ後に、介護福祉士養成の専門学校で介護を学んで、介護福祉士国家試験を受験するのが一般的です。専門学校への入学には、日本語能力試験(JLPT)N2レベルの日本語力が求められます。
介護福祉士養成施設で介護知識や技能を修得した場合は、筆記試験のみで、実技試験は免除されます。試験時間と試験用紙についても、外国籍を有する人は、受験申込時に申請すれば1.5倍の延長とふりがながふられた試験用紙で受験が可能です。
令和6年(2024年)1月に実施された第36回介護福祉士国家試験の合格発表が同年3月に行われました。厚生労働省によると、受験者数74,595人で、合格者数は61,747人で82.8%の合格率でした。
外国人の合格率は、EPA介護福祉士候補者でのみ見ることが可能です。初受験者と再受験者の全体で合格者数は228人、合格率は43.8%となっています。国別の合格率は、ベトナムが86.4%、インドネシアが22.2%、フィリピンが21.3%でした。
出典:厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験合格発表」、「第36回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果」
海外介護人材に長く働いてもらうために、介護福祉士国家試験合格に向けて介護施設としては、どのような支援が必要になるのでしょうか。
教材購入や講座受講料の費用を負担したり、勉強時間を確保するための勤務シフトを考慮したり、などが考えられます。
テキストを活用して、独学で介護福祉士国家試験に挑んで合格するケースはないわけではありません。一方で、やはり独学だけでは、弱点の把握や出題形式の対応・解き方などのスキルを習得することは難しいと言えます。
効果的かつ効率的に試験対策を行うためには、外国人に特化した介護福祉士国家試験対策講座を受講させることをおすすめします。
Zenkenでは、海外人材を対象とした介護福祉士国家試験対策講座をご用意しています。受講者一人一人にサポーターがつく「伴走型学習」でレッスンが進められ、いつでも、どこでも、隙間時間で学べるオンデマンドの動画学習と週一回のライブレッスンで講師が重要項目を分かりやすく解説していきます。詳しくは以下をご覧いただき、ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
ここでは、介護福祉士国家資格取得を目指す海外介護人材への学習支援に充てられる補助金制度を実施している自治体を紹介します。
Zenkenでは、外国人介護人材に係る補助金ガイドをご用意しています。自治体の補助金支援事例や補助金情報の調べ方がご覧いただけます。以下より資料を無料でダウンロードできますので、ご興味がある方はぜひご活用ください。
海外介護人材の介護福祉士の資格取得に必要な取組に対する補助金の交付対象は、以下の取組になります。
経済連携協定(EPA)に基づき外国人介護福祉士候補者を受け入れる介護保険施設等が、候補者の介護福祉士国家資格取得を目的として実施した、日本語学習等に要する経費の一部を補助しています。
以下の海外介護人材が介護福祉士資格取得に必要になる取組に対して補助金が交付されます。
以下の海外介護人材が介護福祉士資格を取得するために必要な経費に対して補助されます。
埼玉県「外国人介護職員が長く働ける、魅力ある埼玉介護の促進補助金」
技能実習と特定技能で入国した海外介護人材に対して行う介護福祉士国家試験に合格するための日本語学習支援に必要な経費の一部を補助しています。
茨城県「令和6年度介護職種技能実習生日本語能力向上支援事業について」
海外介護人材の介護福祉士の資格取得支援として、以下の取組に対して補助金を交付しています。
経済連携協定(EPA)に基づき入国した外国人介護福祉士候補者の日本語学習(日本語講師の派遣、日本語学校への通学等)、介護分野の専門的知識の学習(民間業者が実施する模擬試験や介護技術講習会への参加等)及び学習環境の整備に要する経費に対して補助しています。
海外介護人材の介護福祉士の資格取得支援として以下の取組に対して補助金が交付されます。
国籍を問わず介護業務に従事する介護職員が、介護福祉士試験の受験資格の要件となる「実務者研修」等を受講する際の、事業所等におけるサービスの質の維持及び介護職としてのキャリアアップを支援することを目的とした研修等に対して補助されます。
また、経済連携協定(EPA)または交換公文に基づき入国した外国人介護福祉士候補者の日本語学習(日本語講師の派遣、日本語学校への通学等)、介護分野の専門知識の学習(民間業者が実施する模擬試験や介護技術講習会への参加等)及び学習環境の整備に要する経費に対して補助金が交付されます。
愛知県「令和6年度 愛知県地域医療介護総合確保基金事業(介護従事者確保分)補助金交付要綱等について」
海外介護人材の介護福祉士の資格取得に必要な取組みに対して、補助金が交付されます。
海外介護人材が介護福祉士資格取得するために必要な取組に対し、以下の費用が補助されます。
以下より自治体の補助金支援事例や補助金情報の調べ方をご紹介している資料をダウンロードいただけます。ご興味がある方はぜひご活用ください。
自治体によって、補助金制度の内容が異なります。補助金の活用をご検討の方は以下の「お問い合わせ」からお気軽にご相談ください。
特定技能介護などで受入れた海外人材が介護福祉士国家資格を取得すれば、長く働いてもらえます。海外介護人材が定着するためにも介護施設では外国人職員への介護福祉士国家試験対策の学習支援を行うことは大切だと言えるでしょう。
Zenkenでは、海外人材を対象とした介護福祉士国家試験対策講座をご用意しています。受講者一人一人にサポーターがつく「伴走型学習」でレッスンが進められ、いつでも、どこでも、隙間時間で学べるオンデマンドの動画学習と週一回のライブレッスンで講師が重要項目を分かりやすく解説していきます。詳しくは以下をご覧いただき、ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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