2024.05.08
人手不足が深刻な産業分野において、外国人材の受け入れを目的とする特定技能制度の導入に伴い、特定技能外国人の支援を行うことが義務付けられました。
今回は、外国人材を受け入れる企業や事業所に代わって、支援を行っている「登録支援機関」について、その支援業務から、登録支援機関に委託するメリットと選ぶ際のポイントまで詳しく解説します。
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登録支援機関の主な役割は、特定技能外国人を受け入れる企業や事業所から委託を受け、支援計画の作成と計画に基づいた支援を実施することです。
支援計画は以下の10項目に基づいて、必ず行わなければならない「義務的支援」と行うことが望ましい「任意的支援」の2つに分けられます。登録支援機関はこれら全てまたは一部の支援を特定技能外国人の受け入れ先に委託されて行います。
特定技能外国人の在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、外国人人材に労働条件や活動内容、入国手続、保証金徴収の有無などについて説明します。
入国時の気候や適した服装、本国から持参したほうが良いもの、持参してはいけないもの、入国後当面必要となる費用など、日常生活において知っておくべき事柄の説明もしておくと良いとされています。
海外人材の入国時に空港や港から受け入れ機関の事業所や住居への送迎が義務付けられています。また、特定技能の在留期間が満了した帰国時にも空港の保安検査場までの送迎と同行も必須となっています。送迎の際の交通費は、海外人材を受け入れた企業が負担します。
在留資格を技能実習から特定技能へ変更するなど、すでに日本に住んでいる外国人を特定技能外国人として雇用する場合、送迎は義務付けられていません。送迎をしない際には、交通手段や緊急時の連絡手段などについて伝えておきます。
特定技能外国人が日本で住む場所が決まるまでのサポートを行います。賃貸の場合は受け入れ先や登録支援機関が連帯保証人になるケースもあります。また、銀行口座の開設や携帯電話、電気・ガス・水道といったライフラインの契約手続きの補助も義務になっています。
雇用契約の解除や終了後、次の受入れ先が決まるまでの住居や生活面での契約や手続きのサポートを任意で行うケースがあります。
海外人材が日本での生活が円滑に行えるように、交通ルールや交通機関の利用方法、一般的な生活ルール・マナーなどの説明をします。生活オリエンテーションは8時間以上行い、海外人材が十分理解できるように母国語での対応も求められます。
生活オリエンテーションは、入国時に行うだけではなく、定期面談時など必要に応じて実施することがあります。
海外人材の居住地管轄の役所などへ同行して、住民票や社会保障・税関連の手続き、自電車の防犯登録などの際の補助を行います。
国民健康保険や国民年金は、外国人本人が手続きをする必要があるため、義務ではないですが、同行する場合があります。また、その他の更新や変更届などの手続き際に、同行して支援することもあります。
海外人材が日本で生活したり、仕事をしたりするうえで、日本語を理解することは重要です。日本語教室や学校などの教育機関の情報提供をはじめ、自主学習のためのオンライン日本語講座・日本語教材の情報の提供が義務付けられています。また、日本語教材などの利用契約や教育機関の入学手続きの補助を行います。
日本語学習のための費用の補助や日本語能力試験の受験サポートなどが任意で行われる場合があります。
仕事や生活面で相談や苦情を受けた場合は、適切なアドバイスや指導をします。海外人材が十分に理解できるように母国語や理解できる言語での対応が可能な体制を整えます。
海外人材本人が直接公的な機関などに相談・苦情の申し出ができるように、相談窓口のリストを用意して渡したり、登録支援機関独自の相談・苦情を受け付ける専門の窓口を設けたりしてサポートする場合があります。また、海外人材が仕事や通勤時の怪我や病気などで家族へ労災保険制度の説明や手続きの補助を行うこともあります。
海外人材の住居や職場の地域住民との交流の場や地域のお祭り、イベントなどの案内・参加のサポートを行うことが義務付けられています。
海外人材がイベントへの参加希望があった場合、業務に支障がない範囲で参加できるように受け入れ先へ働きかけることも任意で行います。また、登録支援機関が自ら交流イベントを企画・実施するケースもあります。
受け入れ先の都合で特定技能外国人が雇用契約を解除された場合は、次の受け入れ先を探さがす支援を行います。離職時の手続きの補助も求められています。
「住居確保・生活に必要な契約支援」にも記載があるように、次の受け入れ先が決まるまで、住居や生活に必要なサポートを行うことがあります。
特定技能外国人の支援計画では、3ヶ月に1回以上の定期面談が義務となっています。面談では、生活オリエンテーションの内容を再確認や働いている環境を確認して、もし労働基準法違反などがあると思われる場合は、関係行政機関へ通報します。
問題が起きた際に特定技能外国人が自ら通報しやすいように、関係各所の窓口一覧などを作成して、提供することも任意で行われます。
出典:出入国在留管理庁 特定技能制度「外国人材の受入れ及び 共生社会実現に向けた取組」
2019年4月に、日本国内の介護、建設、農業、漁業などの産業分野において、人材確保が難しい状況に対応するため、一定の専門知識や技能を持つ外国人を受け入れる目的で、特定技能制度が新設されました。
新しい在留資格「特定技能」の導入に伴い、特定技能外国人を雇用する企業は、在留期間中に問題なく仕事や日常生活を送るための支援計画を作成し、実施することが義務付けられました。
支援計画の作成や実施には、書類作成を含む専門的な知識が必要です。企業がこれらの業務を独自で行うことが難しい場合もあります。そのため、一部またはすべての業務を外部の専門機関に委託することが認められ、企業の代わりに特定技能外国人の支援を行う専門機関が登録支援機関となります。
特定技能外国人を受け入れる際に、受け入れ企業独自で支援計画を作成し支援を行うことも可能です。その場合、過去2年間において外国人労働者の受け入れ実績があることが必須となっています。また、外国人材が十分理解できる言語でコミュニケーションが図れる体制を整える必要もあります。
これらの条件をクリアして、特定技能外国人の受け入れるための支援計画を作成して、支援を全て受け入れ企業で対応することは容易ではありません。
そこで、過去2年間、日本で就労できる外国人の受け入れ実績があり、報酬を得る目的で外国人に関する各種相談業務を行っている経験がある登録支援機関に委託すれば、支援計画などの書類作成や手続きなどの負担が減り、スムーズに特定技能外国人の受け入れが可能になります。
また、受け入れ後の支援も委託することにより、自社の職員の手間が省けて、 職員は業務に専念できます。加えて、第三者である登録支援機関が海外人材への相談や面談を実施すれば、海外人材も直接雇用主に話すより相談しやすくなるため、問題の原因がより明確になり、問題解決も滞りなく行うことができます。
登録支援機関を選ぶ際は、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
特定技能外国人を受け入れる企業の所在地と登録支援機関の所在地があまりにも離れていると、特定技能外国人への支援が迅速に行えない場合があります。また、支援のために受け入れ企業に来てもらったり、登録支援機関を訪れたりする場合の交通費負担も考えておくことが大切です。
特定技能外国人は、基本的に一定の日本語能力を有して来日します。しかし、雇用契約や日本の社会制度、生活するうえでのルールなどの情報提供・説明、業務や生活における相談は、支援計画で義務付けられている通り、本人が十分に理解できる言語で実施しなければなりません。
海外人材が英語でコミュニケーションができる場合は、英語の対応で十分ですが、本人の母国語を話せる職員がいる方がより安心です。登録支援機関には、受け入れる外国人の対応言語が備わっているか確認しておくと良いでしょう。
登録支援機関への委託費用も、選ぶ際のポイントの1つになります。とは言うものの、支援内容や委託費用は、登録支援機関によって様々です。
大事なポイントは費用の安さではなく、特定技能外国人を受け入れる企業にとって必要な支援を適正な料金で請け負ってくれるかどうかです。複数の登録支援機関に問い合わせて、見積りを比較し、支援内容が適切であるかを総合的に判断して選ぶことをおすすめします。
登録支援機関によって、支援計画の作成や実施の他に、特定技能外国人のビザ申請代行や入国前の日本語教育の提供など、様々な業務をオプションとして行っている場合があります。さまざまな業務を併せて行っていることがあります。
支援計画に基づいた支援以外の業務も委託したいと考えている受け入れ企業は、オプショナル支援も併せて確認しておきましょう。
Zenkenは、登録支援機関として、主に特定技能介護の外国人の紹介から入国前・後の支援、定着のための教育まで、ワンストップで対応しています。
特定技能介護人材の受け入れをご検討されている介護施設のご経営者・採用ご担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。
登録支援機関へ委託すれば、特定技能外国人を採用する際の、資料作成や支援業務の負担を減らすことが見込まれます。対応言語やオプション支援など費用対効果をしっかり見極めて、登録支援機関をお選びいただく際の参考になれば幸いです。
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