2024.11.11
介護施設において、特定技能介護人材の採用が進む中、どの国からの人材を受け入れるかは重要な選択です。それぞれの国の経済、文化、宗教、政治的情勢、そして日本での在留者数の推移を理解することで、採用決定の判断材料が得られます。
今回は、特定技能介護人材として日本が二国間協力覚書を締結している国籍ごとの特徴及び成功する採用のポイントについて施設経営者や採用担当者向けに詳しく解説します。
Zenkenは特定技能人材の登録支援機関です。特定技能で海外介護人材の受け入れをご検討されている方のために、特定技能人材を選ぶメリットから受け入れまでの流れや事例まで詳しくご紹介している資料を以下より無料でダウンロードいただけます。ご興味・ご関心がある方はぜひご活用ください。
フィリピンは急速に経済成長を遂げていますが、海外での労働に依存する家族も多く、特に介護分野での海外就労が盛んです。
日本はフィリピンにおいて技術と経済力の象徴であり、尊敬されている国です。また、親日的な文化が強く、日本での生活に対して好意的なイメージを持っています。
社交的でホスピタリティに優れ、明るい性格が特徴です。介護施設でも、利用者や同僚との関係構築に長けています。
大多数がカトリック教徒であり、宗教行事や日曜日の礼拝などを尊重する必要があります。
政治的には安定しているものの、貧富の差が依然として大きな課題です。
カンボジアは経済的に発展途上国であり、特に海外就労が多くの国民にとって生活の一部となっています。
日本はカンボジアの主要な援助国として好意的に見られています。日本での労働を通じてスキルを学び、家族や国に貢献したいという動機があります。
カンボジア人は穏やかで協調性があり、辛抱強く働く傾向があります。
大多数が仏教徒で、宗教的な行事や慣習を大切にしています。
政治的には比較的安定しており、経済成長を続けています。
ネパールは緩やかな経済成長を遂げており、特に海外での就労が重要な収入源となっています。
ネパール人にとって日本は高い技術と経済的安定の象徴であり、信頼される国です。日本で働くことは、家族や国への貢献手段とされています。
勤勉で忍耐強い性格が特徴で、特に家族を大切にする文化が長期雇用に繋がりやすいです。
主にヒンドゥー教徒が多く、宗教的な行事や慣習を大切にしています。
ネパールは政治的にはやや不安定ですが、労働市場への影響は限定的です。
ミャンマーは現在経済が停滞しており、多くの国民が海外での就労を目指しています。
日本はミャンマーにとって重要な貿易相手国であり、経済援助や技術支援を通じて信頼されています。
温和で礼儀正しい性格を持ち、集団作業にも適応しやすいです。
大多数が仏教徒であり、宗教的行事や習慣に従います。
政治的には不安定な情勢が続いていますが、労働者の国外移動は活発です。
モンゴルは鉱業に依存した経済成長を遂げていますが、海外での労働に関心を持つ若者も増えています。
モンゴル人は日本を先進国として尊敬しており、特に技術的な発展に関心があります。日本での仕事は技術を学ぶチャンスとして見られています。
誠実で勤勉な性格が特徴で、特に強い労働意識が評価されています。
主にチベット仏教やシャーマニズムが信仰されています。
モンゴルは比較的安定していますが、外部経済への依存度が高いです。
スリランカは経済的に厳しい状況にあり、海外での労働が重要な収入源となっています。
日本はスリランカにとって技術と経済支援の重要な国であり、親日的な感情が強いです。
忍耐強く、真面目な性格が介護職においても評価されています。
主に仏教徒が多く、ヒンドゥー教徒やイスラム教徒もいます。宗教的行事や規範が重視されます。
政治的には安定しているものの、経済面での課題が多いです。
インドネシアは東南アジアで急成長している国の一1つであり、海外就労も盛んです。
インドネシア人は日本を技術と経済力の先進国として尊敬しており、特に技能の向上を求める人が多いです。
礼儀正しく協調性が高いインドネシア人は、チームワークを必要とする介護職に適しています。
主にイスラム教徒が多いですが、キリスト教徒や仏教徒もいます。
インドネシアは政治的に安定しており、海外への労働者派遣が盛んです。
ベトナムは急速に成長しており、若い世代が海外での技術習得を求める傾向が強いです。
日本はベトナムで高い技術力と秩序を持つ国として尊敬されています。
勤勉で手先が器用なベトナム人は、介護分野においても高いパフォーマンスを発揮します。
仏教徒が多い一方、儒教的な価値観も根付いています。
政治的には安定しており、海外労働者派遣が進んでいます。
バングラデシュは急速に成長していますが、低賃金の就労が多いため、海外労働が一般的です。
バングラデシュ人は日本を技術的に進んだ国と見ており、日本で働くことは技術を習得する機会とされています。
忍耐強く、家族を大切にする文化が強いため、長期的な雇用に繋がりやすいです。
主にイスラム教徒が大多数を占めています。
バングラデシュは政治的には不安定な面もありますが、労働市場は活発です。
ウズベキスタンは経済成長を続けており、失業率の高さから海外就労への関心が高まっています。
日本は技術や経済支援の面で尊敬されており、労働者の間では日本での仕事を希望する人が多いです。
真面目で協調性が高く、長期雇用に向いていると評価されています。
主にイスラム教徒ですが、宗教的には寛容な社会です。
ウズベキスタンは政治的に安定しており、海外労働が推奨されています。
パキスタンは経済成長を続けていますが、失業率が高いため、海外での労働が重要な選択肢となっています。
日本は技術的に進んだ国として尊敬されており、日本での就労は技術向上のためのチャンスとされています。
忍耐強く、家族を大切にする文化が強く、長期的な雇用を希望する人が多いです。
主にイスラム教徒が多く、宗教的規範を重視しています。
パキスタンは政治的に不安定な側面がありますが、海外での労働市場は活発です。
タイは経済的に安定しており、技術職やサービス業での海外就労が進んでいます。
日本はタイにとって重要な貿易相手国であり、高い技術と秩序の象徴です。
協調性が高く、親しみやすい性格のタイ人は、介護職での適応力も高いです。
主に仏教徒が多く、宗教的行事や祝日が重要視されます。
タイは政治的にやや不安定な状況にありますが、労働市場は安定しています。
インドは急速に成長しており、海外就労も技術職を中心に活発です。
インドでは日本が技術力の高い国として尊敬されており、日本で働くことはスキルアップの機会とされています。
勤勉でコミュニケーション能力に優れ、介護職でも柔軟に対応できます。
ヒンドゥー教徒が多いですが、イスラム教徒やシク教徒もいます。
インドは政治的に安定しており、海外労働者派遣も積極的に行われています。
マレーシアは経済的に安定しており、技術職やサービス業での海外就労が多いです。
マレーシア人は日本を技術力と秩序のある国として尊敬しています。特に日本での就労はスキル習得の場とされています。
温厚で協調性が高く、日本の文化にも適応しやすいです。
主にイスラム教徒が多いですが、宗教的に寛容な社会です。
政治的には安定しており、海外労働者派遣も積極的に行われています。
ラオスは発展途上国であり、海外就労は重要な収入源となっています。
ラオス人は日本を尊敬しており、特に技術力に関心を持っています。
穏やかで協調性があり、忍耐強い性格が評価されています。
大多数が仏教徒で、宗教的な行事や規範が重要視されます。
ラオスは政治的に安定していますが、経済的には発展途上です。
キルギスは発展途上国であり、海外就労は重要な収入源となっています。
日本は技術と経済力の象徴として尊敬されています。
家族を大切にする文化が強く、協調性が高いため、介護職にも適応しやすいです。
主にイスラム教徒ですが、宗教的に寛容な社会です。
キルギスは政治的に比較的安定していますが、経済的には課題があります。
タジキスタンは発展途上国であり、海外就労が一般的です。
日本は技術力と秩序のある国として尊敬されています。
忍耐強く、家族を大切にする文化があるため、長期的な雇用に繋がりやすいです。
主にイスラム教徒が多く、宗教的規範が生活に大きく影響しています。
タジキスタンは政治的には安定していますが、経済的には課題があります。
上記の各国の特徴を表にまとめましたので、特定技能介護分野の外国人人材を受入れる際の参考にお役立てください。
介護分野の特定技能1号在留外国人数の国籍別の推移は以下のようになっています。
フィリピン、インドネシア、ベトナムは、介護分野における特定技能1号外国人の主要供給国であり、急速な増加が見られます。特にフィリピンは、2019年末の14人から2023年末には3,497人、インドネシアは3人から7,411人、ベトナムは2人から7,937人に増加しています。これらの国々は、制度発足初期から参加しており、介護分野における重要な労働力供給源となっています。
これらの国々が急増している背景には、各国の介護人材育成の積極的な取り組みと、日本における介護人材不足の解消を目指す政策の強化があると考えられます。特に、ベトナムとインドネシアは、介護技能の教育プログラムの充実や日本語教育支援によって、今後も労働力供給の重要な柱となり続けるでしょう。
ミャンマーとネパールも、急激な成長を見せています。ミャンマーは2019年にはゼロからスタートし、2023年には4,730人に達しています。同様にネパールも、2020年には28人だったのが、2023年には2,282人にまで増加しました。これらの国は特定技能制度において、今後も成長が見込まれる新興供給国です。
スリランカ、ウズベキスタン、バングラデシュなどの国々は、2019年に二国間協定を締結後、2020年以降に送り出し始め、2023年にはそれぞれ258人、13人、38人に増加しています。これらの国々は、日本との二国間の協力が進むことで、今後さらに労働者数が増加する可能性があります。
インドは2021年に日本と介護分野で二国間協定を締結し、その後在留人数が増加しています。2021年の協定締結時点では4人だったものの、2023年には126人に増加しており、今後も成長が期待されます。インドは介護や医療分野において優れた知識と技能を持つ人材を輩出しており、今後日本における介護分野での活躍が増える可能性があります。
Zenkenでは、インド政府系機関と提携して、インド人介護人材の育成から紹介、入国後の日本語教育や生活支援を行っています。Zenkenのインド人介護人材に関する詳細は、以下のページよりご覧いただけます。随時面談の機会も無料でご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
タイ、キルギスなどはまだ労働者数は少ないものの、徐々に増加しています。例えばタイは、2020年には4人でしたが、2023年には237人に増加しており、今後さらに人数が増える可能性があります。キルギスも、2021年に初めて介護人材を送り出し、2023年には18人に達しました。
2020年から2021年にかけては、新型コロナウイルスの影響で多くの国で人材の派遣が抑制されましたが、2022年から2023年にかけて急速に回復し、全体的に特定技能介護人材数が急増しました。特に、ベトナムやインドネシアはこの期間に大きく人数が増加しており、パンデミック後の日本の介護人材需要の増加に応じた形で介護人材の供給が回復しています。
介護分野における特定技能の外国人人材の受け入れでは、どの国籍の人材を採用するかも、その後の中長期的に渡る採用計画及び定着に関わってきます。各国の在留人数推移などからトレンドを把握し、各国の特性や背景を理解した上で採用されることをお勧めいたます。また、日本人職員に対する「異文化理解」研修や外国人人材とのコミュニケーションにおいて大切な「やさしい日本語」研修も肝要になります。外国人介護人材が長期的に活躍できる環境を整えることが、高いパフォーマンスと定着に繋がるポイントです。
今回ご紹介した主要な介護人材供給国のフィリピン、インドネシア、ベトナムなどは、すでに多くの人材を日本の介護現場に送り出しており、今後もその数は増加が見込まれています。そしてインド、ミャンマー、ネパールといった急成長中の国々も、今後の労働力の新たな供給源として注目されています。これらの国々からの介護人材は、文化的背景や適応力の高さが強みとなり、効果的な採用につながるでしょう。
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